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Acoustics vol​.​2

by すのう

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1.
君は行く 背中より 大きなリュック 背負って 振り返る 微笑みは もう曇る事はない ひとりぼっち 道に迷う日も 僕らずっと 同じ空の下さ 僕らを乗せて 舟は廻る だだっ広い宇宙を 何が見えるだろう この狭い窓から ポケットの中で 握り締めた 旅立ちのコインを 今 空へ放つ We’re on a space odyssey 僕が住む この街は 優しい人で 満ちて 近付いて ぶつかって 跳ね返って広がる 蹴躓いて 振り返った場所で 見えた景色 昨日までのパノラマ 瞬きも待たず 日々は巡る 生っ白い両腕で 何が掴めるだろう 頼りない限りさ いくら足掻いても 届きやしない あの星の欠片に また腕を伸ばす Our dreams will never fade away 僕らを乗せて 舟は廻る だだっ広い宇宙を 何が見えるだろう この狭い窓から 青空に向かって 放り投げた 旅立ちのコインが 今 道を描く 命の果てまで この旅は続く We’re on a space odyssey
2.
手紙 03:14
行ったり来たりで過ぎ往く毎日さ 君はどう? 僕はどうにも近頃一日が早いよ 流れに任せて暮らしているだけさ 僕はそう まるで櫓の無い舟で漂う旅人 時には君に少しだけ 笑い飛ばして欲しい話 字面にすると何だか重いからさ たまには会おうよ テレビもラジオもとんと観てないな 付き纏う 広告に心がザワザワするから かく言う自分の宣伝も下手糞で いつもそう まるで水の無い池で糸垂れる釣り人 心の隅に一つだけ ポツり灯した弱い魂 言葉にすると言い訳クサいからさ 今夜も唄うよ 時々部屋で独りきり 取り残された気持ちになる 誰もが誰もそんな風なんだかなぁ? 上手く隠せるもんだ いつもみたいに小馬鹿にして 笑い飛ばして欲しい話 待てど暮らせど返事も無いけどさ たまには会おうよ
3.
僕の全て 04:04
青空 焦がしていく 匂いに 僕らは立ちすくんだ まま 今日が過ぎ去ろうとしている 戸惑いの中で 今 湧き上がった 感情 確かな物 なんて 何一つ 手にした事も無いけど 君のその微笑みが もしかしたら もしかしたら もしかして 僕の全て なんじゃないかって それでもいいやって 情け無い事 思ったりもするよ 遠くを 眺めては 足元 蹴躓く事ばかりで もう 怖気付いてしまった 君がいたら 君に会えたら 少しだけ 僕の話をしたいな つまらないよな 情け無いけど 君だけに言うよ 部屋の隅 膝抱えては 爪先を眺めてばかり 時計の針が 昼も夜も 分からないまま 刻む音 聴いている このまま全部無くなっても うずくまる僕に 溜め息一つ 呆れた様に 包み込む 君の微笑みが 何度も背中を叩くだろう 背骨の奥に こびり付いた 僕の全て なんじゃないかって 情け無い事 思ったりも するよ
4.
XANADU 03:15
輪郭のぼやけた毎日が 踏み出す足を鈍らせる 言い訳 塗れの夢でもいい コンパス代わりに握っておけ 宛て無き楽園を目指す 亡者の群れ 果て無き荒野を照らす ナイフの様な月 XANADU 甘く匂い立つぬかるみが 疲れた足を滑らせる もういっそこのまま溺れてもいい このぬるま湯に浸っていたい まやかしのオアシスで泳ぐ 亡者の群れ 鼻先の快楽を 貪って溺れ 底無しのオアシスに沈む 亡者の群れ 待望の晩餐を祝う ハイエナの遠吠え XANADU 輪郭のぼやけた毎日を 目覚める限り繰り返す 幻想の楽園を目指す 亡者の群れ 果て無き荒野を照らす ナイフの様な月 明日無き楽園で踊る 亡者の群れ 飽く無き狂宴を飾る 聖者の悲鳴 群がって奪って 喰らい散らかした 不毛の桃源郷 果てし無く続く砂漠 There’s no turning back しゃぶり尽くして 滅び去った XANADU
5.
STORY 05:17
煙突掃除が吐き出した ドス黒い煙の影響で 世界中の赤ん坊が泣き出した 想像を絶する音量で 君は何処へ向かう 命を燃やして 地上に降り注ぐ 涙に心 濡らして 止まない雨はないと言う いつか瞳も乾くだろう せめて今だけ安らかな夢を The end of the STORY 正義のヒーローが繰り出した 最終兵器の振動で 世界中の火山が吹き出した あいつは笑顔で飛び去った 舟は何処へ向かう 国境を燃やして 地上に虚しく響く 祈りに耳を 塞いで 明けない夜はないと言う いつか朝陽も射すだろう さらば世界よ過ぎ去りし夢よ The end of the STORY 明けない夜は無いと言う 誰も無事では済まぬだろう ならば今だけまやかしの夢を 果てない闇に手を伸ばそう いつか光を掴むだろう さらば世界よ長過ぎた夢よ The end of HISTORY
6.
祈り 04:33
「夢も希望も無い」 だとか 在り来りな言葉で 納得できる程 僕達は 大人じゃないんだ 確かに かなしみは 草臥れた外套じゃ 凌ぎ切れない程 強かに 背骨に打ち付けてる 「幸せ」という 誰かが呟いた 虚構に 誰も皆 躓いてる ずっと 祈っている 君だけは 微笑んでいるように と 僕らが乗り込んだ 「ひとなみ」 という列車は 身動きとれないけど 何故かしら 不安も無いんだ はみ出さない様に 抜け出せない様に 生温い手を繋いで お互いを じっと 見張り合ってる 「生まれた理由」 誰もが嗤うだろう けど 次の駅で 降りてみるよ ずっと 怯えていた 僕だけが 零れ堕ちてしまう 気がして もう帰る事は ないだろう ずっと 祈っている 君だけは 微笑んでいるように と もう 会う事も ない だろう
7.
04:36
いつの間に雨が止んで 自転車の鍵が錆びた 何と無く歩いてみたかったのさ 歩き慣れた街の中 新しい靴を買って 下駄箱にしまい込んだ 行き場なんて最初から無かったのさ 帰り道は夜の中 自転車押して いつも 履き潰した靴を脱いで 束の間 街を眺める 季節が景色を変える そして いつの間にか 道に迷う 道端に雨が跳ねて しゃがみ込む僕を嗤う 靴紐が緩む度 躓くのさ 胸が疼くシャツの中 懐かしい人もいつか 新しい駅に着いた 行き先を変えたなら楽になるさ 永遠に続く上り坂 歩き続けて いつか この靴を履いて何処か 足跡 遺せる所へ 辿り着けるのなら どれだけ遠くても 構わないさ 歩き続けて いつか この靴も履き潰して 独りで眠りにつくまで 孤独な道は続く そして 遠い静寂に踵が 響くままに きっと 越えて行ける いつか
8.
泥の舟 04:20
裏切り 嘲り 今 私を成す 虚構の全てを 手放し赦す事 それを「愛」と呼ぶなら この命さえ 委ねてみてもいい 嵐の中を 泥の舟で行く 愚かな 旅人でいい 独りで漕ぎ出そう 新たな港 へ 傷付き 躓き 形の違う 二つの孤独が 寄り添い生きる事 嘲笑う世界でも 唯 一つだけ 信じていて欲しい 嵐の中に 揺れる希望の光 それが君 諦めはしない この腕が千切れても 漕ぎ続けよう 贖いもしないで 誤魔化して来たんだ 罪は思ったより ずっと深いし 赦されもしないだろう だけど今夜も 嵐の中を 泥の舟は行く 果てしない闇に 灯る希望の光 届かぬ 幻だとしても この腕が動く限り 嵐の中を 泥の舟で行く 愚かな 旅人でいい 全てを捧げよう 君が待つ 新たな港 で
9.
ただ 僅かな 温もりを 抱き締めて 心のままに 擦れ違う人まで 傷付けて あぁ この身も 朽ち果てて 往くのなら 残された日々は もぅ長くはないだろう ただ一つだけ 謎が解ける なら 鼓膜の奥深く 暖かく響く 声が 僕を呼んでいる 辿り着けるか 分からないけど もう 立ち止まるなんて できやしないさ ずっと待っている 君を両手で 抱き締めるのさ 果ての世界で また 惨めな 想い出に 腰掛けて 傷付いたフリで 一日過ごすのか 飽きが来るまで 日々が続く なら 理想も無く綴る 紙屑の様な 夢が 僕に問い掛ける 大切な事に 気付かない なら 羽ばたこうとしたって 飛べやしないさ 隠し続けていた 傷が心で 腐りかけている 鼓動を弄ぶ 抜け殻の叫ぶ 声が 僕を責め立てる 時には誰かに 「臆病者」 と 罵られたって 構やしないさ 君が待っている きっとこの手で 抱き締めてやる 遥かな航海へ 連れ拐うのさ 果ての世界へ
10.

credits

released October 24, 2023

Mixed & Mastered by 
  Sohta Tsuchiya  
      at Mixerʼs Hive in Boston MA 
Illustrations by 
  Aki Kamamura

license

all rights reserved

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about

Snow(すのう) Kyoto, Japan

1974年5月15日生まれ
広島県福山市出身

幼少の頃に聴いたStevieWonderに衝撃を受ける。
アメリカンロックやサザンロックに傾倒し、The Allman Brothers Band、King's X等、
様々なカバーバンドの経験を経て、独自のスタイルを確立する。

哲学的な歌詞の世界観、音楽ジャンルにとらわれることない、その音楽性の高さ、演奏力に、ミュージシャンも含め定評がある。
「あなたの心の片隅に、小さなしこりを遺す唄を。」
をモットーに、全国での演奏活動、CM、イメージソング等の楽曲製作、編曲等、多岐に亘って活躍中。
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